- 防風林ナビ>木の伐採方法>チェンソーを用いた伐採方法
- 大木となった木の伐採では、チェンソーを使用して根元に切込を入れて倒木させることにより伐採作業を行うのが一般的であり、作業の基本となります。
伐採作業の流れ(根本からの切り倒し)
伐採対象樹木の状況を確認する → 重量バランスを見る → 伐採方向を決める → 重量バランスを整える → ロープ・ワイヤー等の補助資材を設置する。 → 受け口を作る → 追い口途中まで入れる →クサビを打つ → 追い口を進める → 補助資材を引く → 倒れる → 後片付け
・使用機材
・チェンソー(リアハンドル)・クサビ ・ハンマー・ロープ ・ワイヤー・チルホール等のウインチ類一式・ノコギリ ・梯子 等
チェンソーでの伐採方法
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・伐採する杉の木
今回切り倒す杉の枯れ木です。
樹高:10~15m、樹齢:20~30年、幹(腰の高さ):直径30~40cm
樹齢に対して樹高が低いのは、過去に先端を切り落としているためです。
・樹木の状況確認
幹の傾き。枝の伸び。足元状況。風の状況。また、周囲の状況からどの方向に倒れやすいかを考え、切り倒す方向を決めます。 -
・重量バランスの調整
倒す方向に倒れやすいように反対側の枝を切り落とす等して調整します。
また、不要な枝を切り落とすことで他の木に引っかかることを予防し、スムーズに倒れます。
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・ロープ、ワイヤー等の補助資材の設置
重量バランスが悪い時など、倒木方向に不安材料が残る場合は樹木を牽引するためのロープやワイヤー等を設置します。
ワイヤーを高い位置に取り付けることで、少ない力で大きな効果を得ることができます。通常、樹高の2分の1以上又は重心より上の高さに取り付けます。 -
・ロープ、ワイヤーの牽引
木の状況に応じて必要な牽引力を準備します。人力で十分な時もあれば、必要があればチルホール等のウィンチを用います。
牽引する場所は、必ず安全が確保された場所で行います。伐採方向では、目測樹高の1.5倍の距離。又は滑車等を利用して絶対に倒れてこない場所などで牽引します。 -
・チェンソーで受け口を作る
倒す方向に受け口を入れます。
受け口は、伐採方向に関する重要な切り込みです。 -
・チェンソーで追い口を入れる
受け口の反対方向から追い口と呼ばわれる切り込みを入れます。ロープ等で牽引していない場合、チェンソーが挟まるため途中で中断してクサビを打ちます。
クサビを打ったのち、作業を再開します。
追い口の角度によるツルの形で伐採方向の微調整を行います。 -
・伐採後の切口
伐採後の幹の状況です。
左半分が受け口の後。右半分が追い口の後。
中心の裂けた後が兆番の役割を果たしたツルの部分です。
・その他
木は重量の傾いている方向。風等により力が働いている方向やその反動が生まれる方向に倒れます。受け口、追い口は切り倒す方向を調整する重要な要素です。しかし、その倒木する方向を決定的に決めるわけではありません。重量の傾いている方向以外に切り倒すには、枝を掃う等のバランスの調整。ワイヤー等の資材による牽引が重要となります。
万が一倒木に巻き込まれた場合、命に関わる重大な事故となるため確実な安全対策が必要です。
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